1  待ち伏せ /  2 人外魔境の始まり /  3  侵入者 /  4 真祖ふたり / 5 少女たち


3 侵入者

 風呂に入り、おなかも膨れて、栄菜は大満足だった。鼻歌ではなく大声で流行りのCMソングを歌いながら、2階の自室へと向かう。部活で流した汗はすっきりしたし、今日の夕食は大好きなハンバーグだったし、シチューにはマッシュルームが入っていたし、何よりレイゼルドの機嫌が良いように見えた。
 それはかなり喜ばしいことである。
 いつも同じ表情の彼ではあるが、流石に7年も一緒に暮らしていれば僅かな変化でも分かるようになってくるものだ。恐らく、夕食の手伝いをしていた栄菜が指を怪我したことが、起因となったのだろう。
 もう何年も前からだが、彼女は、怪我をした時はレイゼルドに治療してもらっていた。
 治療というと聞こえはいいが、実際は彼に傷口をなめてもらうという大層原始的かつ民間療法的な方法である。
 だが、これが実によく効いた。痛みはすっと遠のき、傷口もしばらくなめ続けていてもらえばじきに塞がってしまう。
 先ほどもニンジンを微塵切りにする途中で、栄菜は自分の指まで刻みかけた。勿論大事には至らないが、たかだか1センチの傷でも痛いものは痛い。しかも血がだらりと垂れそうになり、栄菜は焦った。
「れいちゃん、これっ」
「動いては駄目ですよ。こぼれてしまう」
 指先を口に含まれ、栄菜は少しばかりそわそわした。冷たく大きな手が栄菜の手首を捉え、すぐ側に目を伏せたレイゼルドの端正な顔がある。
(何だか動けないや)
 栄菜にとって、レイゼルドは家族の一人である。このような行為も今まで何度となくあったことで、むしろ常習化しているといっていい。だが回を追うごとに、自身の鼓動が早くなることに、栄菜は気づいていなかった。
 執拗(しつよう)なまでにゆっくりと彼に指先を吸われている間、栄菜の視線は彼の顔ではなく明後日の方向を向いていた。何となく栄菜はレイゼルドと目が合わせられなかったのだ。
(ちょっとくすぐったいかも)
 落ち着かない不安定な気持ちを、栄菜はそう結論付けた。
 実際のところ、あまりに長い間一緒に過ごしてきたせいで、栄菜は時々彼が吸血鬼であることを失念していた。いやむしろ吸血鬼の意味さえ忘れかけてきているきらいがある。
 勿論彼が夜中に『食事』のためにちょくちょく出掛けていることも、昼間はほとんど地下室で眠っていることも栄菜はよく知っていたし、ごく稀(まれ)に使い魔たちで『食事』を済ます光景も目にしたことがある。
「人を殺したりはしていませんよ。無駄な行為は嫌いですし、人は資源ですから」
 彼がそう公言して憚(はばか)らないのも事実だし、その意味を深く考えるとぞっとしなくもない。
 だが栄菜は、この非常識な同居人と二人きりで暮らし始めてから、もう6年にもなるのだ。常識という枠が『慣れ』の中で溶解していくのに、栄菜の鈍さも手伝ってか大した時間はかからなかった。 

 自室のドアのノブに手をかけながら、栄菜は歌うのを止め、左手を見つめた。人指し指にはうっすらと白い筋が残るだけで、傷口は完全に塞がっている。レイゼルドが丁寧に舐めた結果だった。
「これなら明日の試合は大丈夫だな」
 あとは宿題をして早めに寝るだけである。
 栄菜は現代人にしては至極珍しく、テレビをあまり見ない方だった。元々父親がテレビ嫌いだったことが一因なのかもしれない。かわりに彼女の部屋には洋楽、J-POP、クラシックからジャズとジャンルを問わずCDが山積みされている。
 いささか音程を外した歌声を再び披露しながら、栄菜は自室のドアを開けた。
「あれ?」
 なぜか雰囲気がいつもと異なるように栄菜には思えた。室内に入り電気のスイッチを押そうとした刹那、突然ドアが激しい音とともに閉まる。
「また会ったわね。夕食はもう済んだのかしら」
 スイッチを押してもいないのに、電気が灯った。夜風にカーテンが揺れている。
「ごめんなさいね。ちょっと上がらせてもらってるわよ」
 帰宅途中に出会った女が窓際に立っていた。御丁寧にも靴は脱いでいる。
 栄菜はぽかんと女を見つめた。家宅侵入しているのにもかかわらず、悪びれた様子など勿論なく、まるで自分が家主であるかのように堂々としている。
「今度は何の用なの?」
 さすがにまた顔を見に来ただけとは思えなかったので、栄菜は真面目に尋ねた。女はすぐに返答はせず、栄菜の胸元にじっと視線を注いでいる。 
 パジャマの胸のポケットの中で、もぞもぞと彼女たちが動いていた。女は軽く腕を組んでふんと鼻を鳴らす。
「使い魔さんたち、おとなしくしていた方が身のためよ」
 女の挑発的な口調に、我慢出来なくなったのだろう。栄菜のポケットから、蝙蝠が先に飛び出した。
「ちょっと、なめてんじゃないわヨ。この家はうちのマスターのナワバリなんだから」
 蝙蝠だったものが膨張し、あっという間に人の形になった。噛み付くような口調とともに、青い髪を振り乱して怒りを露にしている。
「勝手に入って来たからには、ただでは済まさないんだから」
 豊満な胸が揺れている。体にぴったり合った黒い服は露出度が高く、赤い唇を尖らすさまは、まさに小悪魔といっていい。
 栄菜はうーんと唸った。常から彼女の着る服は冬でも布が少なめである。それで栄菜が困ったことなど一度もないが、さすがに目の前に形のいいお尻を突き出されては、目のやり場に困ってしまう。
(どうして、いつもあんな短いスカート履いてんのかな。ズボンでも似合うと思うのに)
 栄菜が服装問題に考えを巡らせている間に、蝙蝠女は窓際に立つ女に飛び掛かって行った。
「使い魔だからって馬鹿にしてもらっちゃ困るワね! ウチのマスターはそこいらの奴とは違うんだヨッ」
 蝙蝠女の背から真っ黒な羽が生まれ、真紅の爪が鋭くのびる。
 金髪の女は避けようともせず、ただ艶やかにほほ笑んだ。
「おあいにくさま。あなたのマスターと私は同格なのよ」
 その瞬間、蝙蝠女の顔が驚愕に歪んだ。
「すーちゃん!」
 栄菜が叫ぶのと、蝙蝠女が吹き飛ぶのがほとんど同時だった。体は宙を切り、衝突する寸前に開いた扉から廊下へと投げ出される。
 それを見計らったように、扉はまた激しい音を立てて閉じた。
 間髪容れず、外からどんどんと扉を叩く音がする。
「ちょっと、さかなっ子、ここ開けてちょうだい。早くしないとアンタの身の保証が出来ないんだから」
「そっ、そう言われても……」
 すぐさま扉に向き直り、暫くガチャガチャとノブを動かしてから、栄菜は落胆した。
「すーちゃん、ごめん。何だか鍵かかってる……」
「ちょっと冗談……」
 それきり声がしなくなった。栄菜が振り返ると、女がくすくす笑っている。
「私、うるさくされるの嫌いなの。だから黙ってもらったわ」
 栄菜のポケットから白い小さな蛇が顔を出す。
「しろちゃん、駄目だよ」
 飛び出しかけている白蛇を、栄菜はぎゅっと握り絞めた。相手がレイゼルドと同じ吸血鬼なのは間違いなかった。先程の圧倒的な力の差からしても、戦闘は極力避けた方がいい。
 栄菜は白蛇を胸に抱えたまま、相手の出方を伺った。女は眉をあげ、感心したように口笛を吹く。
「あなた、中々賢いのねぇ。私、賢い子って好きよ」
「テストの点、あんまり良くないよ」
「あら、別にあなたの試験の結果なんてどうでもいいのよ。……それより蛇の首を締め上げるのは、どうかしら」
 栄菜は慌てて握り締めていた手を緩めた。あまりに力んでしまったために、白蛇は窒息しかけている。
「わーっ、しろちゃん、死なないでーっ」
 使い魔相手に、おたおたする栄菜の姿には、何故か微笑ましいものがある。女は唇をぺろりとなめながら、少女の一挙手一投足に注意深く目をやった。
「……ねぇ、蛇の首を絞めるほど何を考え込んでいたのかしら」
 女の青い目は、初めて会った時よりも、数段きらきらと不可思議に輝き、吸い込まれそうなほどの深さを湛えている。栄菜はその魅惑に満ちた視線を軽く受け流しながら、蛇の頭をなでた。
「おねえさんが、どうしてここに来たか考えてたの」
 女の瞳に楽しそうな色が踊る。
「あと、れいちゃんじゃなくて、あたしに先に会いに来た意味や、何で危害を加える気もないのに、わざとすーちゃんを挑発したりしたのか……」
「あら、私は挑発なんてしてないわよ」
「そうかなあ。だっていかにも『私、ここに悪い事しにきました。早くやっつけないと大変なことになるよ』って顔してたよ。……今はそんなことないけど」
 女はぶっと吹き出した。けたけたと笑いながら、栄菜にするりと歩み寄る。
「あなた、正直ねえ。普通、面と向かって言わないわよ。日本人は特にね。……っと最近の子はそうでもないのかしら?」
 栄菜は訝しんだ。あれだけ笑うということは、恐らく栄菜のしゃべった内容に笑いのツボがあったのだろう。しかし、今の話の一体どこに、そんな強力なツボがあったのだろうか。
(ウケる話をしたつもりは、ないんだけどなぁ)
 栄菜の表情をどう取ったか、間近に顔を寄せた女は、もう一度ぺろりと唇をなめた。
「レイゼルドが助けに来なくて、不安? 安心してちょうだいね。彼は今、私のかわいい下僕の相手をしているはずだから」
 栄菜はもう一度、手の中の小さな白蛇を、ぎゅっと握り締めた。どうやら女は方針を変えたらしい。
 その青い瞳には、危険な光が宿り始めていた。

「最初に言ったはずですが。下僕では傷を負わすことすら不可能なのだと」
 レイゼルドの左手は男の首を捕らえ、不法侵入者の顔に苦悶の表情を浮かばせていた。
 広い玄関ホールには、2階へ続く階段を正面にして幾つかの調度品が置かれていたが、どれもみな見事なまでに倒れている。花瓶はひっくり返り、カーテンはずたずたに引き裂かれ、砕けた窓ガラスは床に散らばり、絨毯は所々血でどす黒く汚れている。ここで起こった戦闘の激しさを推察させるに十分な惨状だった。
 階段の下で捕らえられた男は、二十代後半から30代半ばの日本人のように見えた。だが、黄色人種にしては白すぎる肌と常人ならざる身のこなし、そして受けた傷の異常なまでの治りの早さからして、明らかに人間ではない。
「あなたのマスターも、随分と無茶をさせていますね」
 同情のかけらもない声音は、侵入者の頭の中に無情に響いた。男は苦痛に顔を歪め
ながらも、鋭い視線で敵を見下ろす。
 190センチもあるレイゼルドだが、自分と大差ない身長の男を左手だけで掴み上げ、まるで空気の入った人形を持つように高々と宙づりにしているさまはかなり異様だった。玄関ホールを照らす鈍いオレンジ色の明かりの中、彼の後ろでは灰色の狼と、夜の闇よりなお暗い色の烏が、人の声を発して笑っている。
 常人の目には悪夢のような光景に映ったことだろう。
「……力の大半を失っているのでは、なかったのか」
 宙づりにされたままの男が、くぐもった声で尋ねた。意外にもしっかりした口調に、レイゼルドは眉を上げる。
「下僕の割には気概がありますね」
 宙づりにされた男に一瞬動揺が走った。明らかに外国人である敵の口から、きれいな発音の日本語が流れたのだ。
(先程までは、頭の中に声が響いていたのに)
 男はマスターと話す時は日本語で話していた。彼のマスターは日本語を理解していなかったが、頭の中に声が鳴り響く時は、なぜか会話が成立していたのだ。
 だから目の前の敵にも口で話した。それで通じることを知っていたからだ。ところが相手は、驚くほど流暢な日本語で答えてきた。
「一応名前を聞いておきましょうか。まあ、この状態では、とても礼儀にかなっている
とは言えませんが」
 皮肉にしか取れない内容なのに、口調には何の感情も込められてはいない。事務的な話し方と、凍ったような笑みのせいで、全く相手の腹の内が読めず、侵入者は目を伏せた。
 どうせ、マスターに義理立てする理由など無いのだ。
「久我雪久」
 レイゼルドの右腕が侵入者の胸に伸び、鋭い爪が服を引き裂く。その刹那に、見えない力が侵入者の体を羽交い締めにした。
「では久我さん。あなたに面白いことを吹き込んだ相手は誰ですか」
 面白いこととは、自分が一番最初に言ったことだろうと久我にはすぐに分かった。苦しい態勢のまま、自分の首を片手で締め上げている敵の表情を窺う。
 滅多なことでは動じないことが身上であったはずの久我は、己の内側で激しく鳴る警鐘を聞いた。
(これは慣れてしまったものの顔だ)
 過去の苦い記憶が蘇る。
(虫も殺せないような奴らばかりだったのに、大陸にわたってから皆、こんな顔になっていった……)
 久我は沈黙を答えとした。彼は自分のマスターのフルネームなど知らなかったし、それ以前に永遠に忘れることなど出来はしない地獄の記憶を鮮明に呼び覚まさせた目の前の敵とは、口もききたくなかった。
 レイゼルドは目を細めた。
 おもむろに右手をのばし、裂けた布の間をぬって、久我の胸に直に触れる。
 久我はぞくりとした。
 熱さや寒さといった気温の変化に対して、非常に鈍い体になってから随分経つ。それにもかかわらず、肌にひたりと触れた手は熱く感じるほど冷たい。
「いいことを教えてあげましょう。下僕といえど、日本人で我らの眷属になった者は、あなたが初めてです」
 爪がゆっくり肉に食い込む。右手が胸の中にめり込んで行き、首を掴まれ宙づりにされたまま、久我は激しく咳き込んだ。逆流した血が口から溢れ出す。
「それともう一つ。吸血鬼でも、心臓を握り潰されれば死にます」
 返り血がレイゼルドの顔も衣服も真っ赤に染め上げている。彼の爪は堅く鋭利で、障害となり得るものを全て断ち切りながら、血と肉の間をゆるゆると泳いだ。
 胸からとめどなく流れ落ちる血が、久我の足の下に深紅の水たまりを作ろうとして
いる。
 苦痛はあった。二度目の死が間近に迫っていることも、明白だった。
 だのに、不思議なほど久我は恐怖を感じなかった。
 今でもはっきり覚えている。
 新兵の『訓練』のために、木に生きたまま捕虜が縛り付けられた。良心の呵責と恐怖のために半狂乱になりながらも、新兵たちは上官に命令されるがままに、身動きも取れず無抵抗な捕虜に向かって銃剣を突き出した。
 時代のせいにすることは簡単だ。だがあの時、平然と傍観していた自分が今、こうして何も出来ぬまま心臓を鷲掴みにされている。
 久我はなんとも因果な気がした。
 まだやり残したことはあるし、未練がないわけではない。
 だが死は恐怖の対象ではないのだ。
 目を伏せたまま呻き声一つ上げない久我に対して、レイゼルドは「ほう」と感嘆の息を漏らした。
「命乞いもしない。かといって主人に忠義立てているわけでもない」
 血でどす黒く染まった眼鏡の奥で、彼の瞳に変化が生じた。右手を久我の胸から引き抜き、そのまま眼鏡を外して床に放る。
「っとマスター、壊れますってそんなことしちゃ」
 烏の姿がぼやけ、黒づくめの服に身を包んだ若者が現れた。慌てて床と激突しかけた眼鏡を受け止める。
「滅多やたらに壊したら、また、さかなっ子に怒られますよ」
 使い魔の不遜な言葉など、レイゼルドの耳には届いていなかった。久我の首から左手を離し、自由にしてやる。
 宙づりからも、心臓を掴まれる苦痛からも解放された久我は驚き、床に膝をついたまま敵を見上げた。
 すると、レイゼルドもまた、彼を見下ろしていた。
 久我の全身が凍りつく。見下ろす目に、ただならぬ色が浮かんでいるのだ。特に右目は深い紫色に輝き、不可思議な冷たいきらめきを発している。
(これは……)
 肉体のみならず、精神さえも支配される……久我はこの感覚をよく知っていた。彼のマスターの青い瞳が、同じようなきらめきを湛えるのを何度となく見て来たからだ。
 だが、今相手にしている敵は、彼のマスターなどではない。たとえ同族といえど、マスターのいる久我を束縛することなど出来ないはずである。
 久我が『人間の死』のあと復活出来たのも、マスターの血で眷属に引き込まれたせいであるし、マスターの命が尽きれば久我も死ぬ。
 それほど血の契約とは重いもののはずだった。
 久我は、既に塞がり始めている胸の傷に爪を立て自ら抉った。激痛が走り、唇を噛み締めながら目をきつく閉じる。
 死は恐れない。だがこのような目をした男に、意志を束縛されることは耐え難い屈辱だった。
 レイゼルドの唇に、初めて作り物ではない笑みが浮かんだ。
「これほど頑強な精神を持ち合わせた下僕はそうはいませんよ。……なるほどイリーナが好みそうな、実に面白い存在だ」
「なぜ、マスターの名を……」
 動揺を押し隠して久我は尋ねた。相手の目を直接見ないように、薄目を開けて様子
をうかがう。
 嫌な予感がした。
 マスターであるあの女は言ったはずだった。『私の存在は気取られてはいないわ。あなたは偵察にでもきたふりをすればいい。そしてあの男と戦って、出来るだけ時間かせぎをしてちょうだい』と。
(あの女は、いつも俺に本当のことは何も告げない)
 レイゼルドは、今だ血の滴る右手を口元にもって行った。真っ赤な舌がのぞく。
「あなたの血には、イリーナの味が随分交じっている……。分からない筈がないでしょう。それに彼女は今夜ここを訪れることを既に予告していましたよ」
 久我の表情が険しくなる。
「私の使い魔のいる前で、堂々とあの子に接触してきましたから」
「あの子……?」
「ぎゃーーーーっ」
 少女にしてはいささか情緒にかける叫び声が、二階から突然降ってきた。かなり奥の方からだが、元々発声は良いし、彼らの聴覚は人間を遥かに凌駕しているのだ。否が応にもはっきり聞き取れる。
「どうしよう、きれいなおねえさんに襲われるーっ」
 声には緊迫感があるだけに、レイゼルドも、久我も、揃って二階を見上げた。
「…………」 
「…………」
 二人とも暫しの間動くことを忘れていた。

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